台風25号、関東・伊豆諸島の雨風はいつ強まる?|21~22日の最新見通し【9月20日15時時点】

台風25号の21~22日の最新見通しを伝える記事のアイキャッチ 気象の見通し

20日の午後、関東の南には発達した雨雲が帯になって並んでいます。千葉県内でも雨が降り出し、14時の時点で、千葉市、市原市、銚子市、旭市、茂原市、館山市など県内の広い範囲に大雨注意報と土砂災害注意報が出ています。

ただ、いま降っているこの雨は、台風25号の本体ではありません。台風の中心は、20日12時の時点でまだ日本の南、北緯29.2度・東経137.5度にあります。降っているのは、台風の東側を回り込んできた湿った空気が、本体より先に届いたものです。

気象庁が20日11時に発表した早期注意情報を見ると、千葉県で大雨警報が出る可能性が「高」になるのは21日です。雨はもう始まっているのに、警報級の段階はこれから来る。関東はいま、そういう位置にいます。

この記事では、20日から22日にかけて、関東と伊豆諸島で雨・風・波がいつ強まるのかを、20日の午後までに気象庁が発表した情報にもとづいて整理します。

いま出ているのは注意報、伊豆諸島南部だけは波浪警報

気象庁の雨雲の動き。2026年9月20日14時35分、関東の南から東海・近畿の南に雨雲が帯状に連なる
気象庁「雨雲の動き」2026年9月20日14時35分

20日14時35分のレーダーでは、雨雲が南西から北東へ帯のように連なっています。千葉県の中部から東部にかけては1時間に20mmから30mmの強さを示す色が広がり、ところどころにさらに強い色が混じっています。

発表されている情報を見ると、段階のばらつきがはっきりします。千葉県は20日13時53分の更新時点で、大雨注意報と土砂災害注意報が、千葉市・市原市から東の広い範囲に出ています。北東部と南部には波浪注意報も出ていますが、警報はまだ1つも出ていません。 一方、東京都の伊豆諸島南部(八丈町・青ヶ島村)には、すでに波浪警報が発表されています(20日10時04分更新)。

同じ台風でも、海から先に変わるということです。関東の陸地はまだ注意報の段階、伊豆諸島の海はすでに警報の段階。この差は、これから半日から1日かけて、北へ順番に移っていきます。

台風25号は、21日の昼に八丈島のすぐ西を通る予想です

気象庁の台風第25号経路図。2026年9月20日12時の実況と22日9時までの予報
気象庁「台風第25号(ドゥージェン)経路図」2026年9月20日12時45分発表

気象庁が20日12時45分に発表した台風情報によると、20日12時の台風25号は、大きさが大型、強さが強いという階級で、中心気圧970hPa、中心付近の最大風速35m/s、最大瞬間風速50m/sです。中心は北緯29.2度・東経137.5度で、北北西へ10km(6ノット)とゆっくり進んでいます。

予報のほうが、この記事の本題に直結します。21日12時の予報では、中心は八丈島の西南西およそ130km、中心気圧は965hPaまで下がり、暴風警戒域は全域210kmとされています。つまり21日の昼ごろ、台風は伊豆諸島のすぐ横を通っていく計算です。そのあと進路を北東へ変え、22日9時には北緯37.8度・東経146.0度、つまり日本の東の海上へ、時速40kmまで加速して進む予想になっています。

気象庁の台風第25号の暴風域に入る確率。伊豆諸島から関東・東北の東海上へ帯状に広がる
気象庁「台風第25号 暴風域に入る確率」2026年9月20日9時表示

暴風域に入る確率の図でも、伊豆諸島から関東の東海上、さらに東北の東へのびる帯が70%以上の階級で塗られ、関東は内陸へ行くほど階級が下がっています。台風の中心は関東の陸地を通らない予想ですが、中心から南西側440kmまでが強風域です。中心が通らないことと、風が吹かないことは別の話になります。

地域別に見た、21日のピークと「高」が始まる時間

気象庁は、県や地域ごとに、明日までの雨量・風速・波の予想を時系列で出しています。20日11時発表の千葉県と東京都の時系列情報から、21日のピークの数字と、早期注意情報で警報級の可能性が「高」になる最初の時間帯を並べたのが次の表です。

地域 1時間最大雨量 24時間最大雨量 風(陸上の最大) 波の高さ 「高」が最初に始まる要素と時間
千葉県北西部 60mm 300mm 18m/s 2.5m 土砂災害・20日18時から
千葉県北東部 60mm 300mm 25m/s 8m 土砂災害・20日18時から
千葉県南部 70mm 300mm 25m/s 8m 土砂災害・20日18時から
東京23区・多摩 60mm 250mm 23m/s 2.5m 土砂災害・21日6時から
伊豆諸島北部 70mm 350mm 30m/s 8m 土砂災害・20日12時から
伊豆諸島南部 70mm 350mm 35m/s 9m 土砂災害と波浪・20日12時から

数字はどれも21日の値で、雨のピークはどの地域も21日の昼過ぎから夜に集まっています。風と波は、伊豆諸島南部の35m/sと9mが最も大きく、千葉県北東部と南部がそれに続きます。千葉県の海上の値はさらに大きく、北東部と南部とも35m/sの予想で、備考には「塩害」と書かれています。

順番として見ると、伊豆諸島は20日の昼から、千葉県は20日の夜から、東京23区や多摩は21日の朝から「高」が始まります。南から北へ、半日ずつずれて段階が上がっていく形です。自分の地域の「高」が始まる時刻から逆算して、外の作業や買い物、帰宅の時間を決めると、判断がぶれません。

千葉県の発表文では、北東部と南部について「22日までの期間内に、大雨、土砂災害、暴風(暴風雪)、波浪警報を発表する可能性が高い」とされています。北西部は大雨と土砂災害が「可能性が高い」、暴風と波浪は「可能性がある」という書き分けです。東京地方も、大雨と土砂災害が「21日までの期間内に発表する可能性が高い」とされています。

気象庁の関東甲信地方の警報級の可能性時系列。21日は大雨、土砂災害、暴風、波浪の値が高まる
気象庁「関東甲信地方の警報級の可能性(時系列)」2026年9月20日11時発表

ここで1つ、読み方の注意があります。同じ気象庁のページでも、地方単位の表は、その地方のどこか1か所で見込まれる最大値です。20日12時50分更新の関東甲信地方の表には、21日の24時間最大雨量350mm、暴風35m/s、波9m、潮位1.4mという数字が並びますが、これは上の表の伊豆諸島南部の値とそのまま一致します。地方の表でいちばん目立つ数字は、その地方でいちばん条件の厳しい場所のものであることが多い、ということです。自分の場所の見込みを知りたいときは、県や地域の単位まで下りてください。

大雨より先に、土砂災害の段階が上がっています

表を見て気づくのは、最初に「高」になるのがどの地域でも土砂災害だということです。千葉県では20日18時から、伊豆諸島では20日12時からで、大雨が「高」になるのは早い地域でも21日の朝。土砂災害のほうが半日から1日ほど先行しています。

順番が逆に見えるのは、土砂災害の判断が「いま1時間に何mm降っているか」ではなく、土の中にどれだけ水が溜まっているかで行われているためです。気象庁は土壌雨量指数という値を使い、降った雨が地面に染み込んで、時間をかけて流れ出ていく過程を計算しています。20日の日中から降り続いている雨は、この値をじわじわ押し上げています。

気象庁の時系列情報では、黄色が注意報級、赤が警報級、紫が危険警報級、黒が特別警報級を表し、警戒レベル2から5に対応します。

20日12時50分更新の関東甲信地方の表では、土砂災害の欄が20日の夕方から21日いっぱいまで紫で、大雨の欄も21日の夜には紫になります。これは実際に危険警報が発表されたという意味ではなく、危険警報級(警戒レベル4相当)となる可能性の見通しです。

ここから出てくる注意は1つです。雨が弱まった時間帯に外を見て、山場が過ぎたと考えないこと。 土の中の水は、雨がやんでも数時間から半日かけてゆっくり抜けていきます。斜面のそばや崖の下、谷の出口にあたる場所にいるなら、雨の強さではなく、気象庁のキキクル(危険度分布)の色で判断してください。

千葉市と八千代市は、いつもより低い基準で警報が出ます

千葉県の警報・注意報のページには、20日13時53分更新のお知らせとして、次の一文が添えられています。

令和8年8月千葉豪雨による河川の堤防損傷等の状況を考慮し、千葉市と八千代市については、大雨に関する警報等の発表基準(流域雨量指数基準)を通常より引き下げた暫定基準で運用しています。

流域雨量指数は、上流に降った雨が川へ集まってくる量を表す値です。堤防が傷んでいる区間では、いつもと同じ水位でも耐えられる余裕が小さくなります。そこで基準を下げ、通常より早い段階で警報を出す運用がとられています。

この2市にお住まいなら、警報が出るタイミングは「いつもより早い」と考えてください。 過去の経験と比べて「この程度の雨で警報?」と感じたとしても、それは基準が変わっているためで、空振りとは限りません。逆に言えば、警報が出た時点で動き出せば、例年より余裕を持って行動できる設計になっています。

伊豆諸島は、すでに海のほうが変わり始めています

伊豆諸島南部には、20日の午前の時点で波浪警報が出ています。土砂災害の「高」も20日12時から始まっていて、関東の陸地より半日以上早い段階に入っています。

21日の予想は、暴風35m/s、波の高さ9m、潮位は1.4mです。潮位1.4mは、この記事で扱う地域のなかで最も高い値になります。台風の中心が八丈島の西南西130kmを通る予想であることを考えると、21日の昼前後が島の正念場ということになります。

海の変化が先に来るのには理由があります。うねりは台風本体より速く進むため、まだ雨も風も大したことのない時間帯に、波だけが高くなります。 島の便は、海が実際に荒れきる前の段階で欠航が決まることがあります。島との行き来を予定しているなら、運航の判断は早めに確認してください。海岸や防波堤には、波を見に行かないでください。

東海も大雨に、東北は21日の夜から強まります

気象庁の早期注意情報全国図。東海から関東、東北南部に警報級の可能性を示す色が付く
気象庁「早期注意情報(警報級の可能性)」2026年9月20日11時発表

全国図で見ると、色がついているのは関東だけではありません。東海から関東、東北南部にかけて帯状に広がっています。台風が22日にかけて日本の東を北東へ進むため、影響の中心も南から北へ移っていきます。

東海地方でも、21日は地方内の最大値として1時間60mm、24時間400mm、風25m/s、波7mが示されています。これは東海地方のどこかで見込まれる最大値で、各地点の予想ではありません。21日にかけて大雨、土砂災害、暴風、高波への備えが必要です。

気象庁の東海地方の警報級の可能性時系列。21日は1時間最大60ミリ、24時間最大400ミリ、風25メートル、波7メートル
気象庁「東海地方の警報級の可能性(時系列)」2026年9月20日11時発表
気象庁の東北地方の警報級の可能性時系列。21日夜は1時間最大50ミリ、風18メートル、波5メートル
気象庁「東北地方の警報級の可能性(時系列)」2026年9月20日11時発表

東北地方の時系列では、1時間の最大雨量が21日18時以降に50mm、24時間の最大雨量が200mm、風は18m/s、波は5mでうねりを伴う予想です。土砂災害の欄は21日の昼過ぎから紫、つまり危険警報級に変わります。注目したいのは欄の名前で、関東や伊豆諸島が「暴風」の欄なのに対し、東北は「強風」の欄にとどまっています。 同じ台風でも、想定されている段階が1つ違います。東北では、風より雨のほうを主に見てください。

数値予測の絵は「計算の1つ」として見る

Windy.comのMSM積算雨量表示。2026年9月22日18時までの計算で千葉県内の表示地点が334.5ミリ
気象庁メソモデル(MSM)の積算雨量表示。Source: Windy.com、2026年9月20日取得

数値予報モデルの計算をそのまま地図に表示するサービスもあります。上の図は気象庁のメソモデル(MSM)の計算を表示したもので、20日9時から22日18時までの積算雨量として、千葉県内の表示地点に334.5mmという値が出ています。

Windy.comのMSM雨・気圧表示。2026年9月21日21時、房総半島の南に中心気圧965ヘクトパスカルの低気圧
気象庁メソモデル(MSM)の雨・気圧表示。Source: Windy.com、2026年9月20日取得

同じモデルの21日21時の計算では、中心気圧965hPaの低気圧として房総半島の南に描かれ、関東に強い雨の帯がかかっています。風の表示に切り替えると、その東側に30m/sを超える領域が広がっています。

Windy.comのMSM風表示。2026年9月21日21時、房総半島の東海上に強風域が広がる
気象庁メソモデル(MSM)の風表示。Source: Windy.com、2026年9月20日取得

こうした絵は、雨や風がどの向きから入ってくるのかを掴むのに役立ちます。ただし、これは「予報」ではなく「計算結果の1つ」です。 モデルは新しい観測を取り込むたびに計算し直され、そのつど絵が変わります。気象庁が21日12時の予報として出している中心気圧965hPaと、モデルが21日21時に描く965hPaは値が同じでも時刻が違い、同じ予報ではありません。行動を決めるよりどころは、気象庁が発表する警報・注意報と、市町村が出す避難情報のほうです。

21日の朝までに済ませておくこと

20日のうちに終わらせたいのは、雨が本降りになると手が出せなくなる作業です。

  • ベランダの排水口、雨どい、家のまわりの側溝に溜まった落ち葉やゴミを取り除く
  • 物干し竿、植木鉢、ゴミ箱、自転車など、飛ばされるものを固定するか屋内へ入れる
  • 懐中電灯とモバイルバッテリーを充電し、置き場所を家族で共有しておく
  • ハザードマップで、自宅が土砂災害警戒区域や浸水想定区域に入っていないかを確かめる
  • 雨戸やシャッターがある家は、動くかどうかを昼のうちに試しておく

21日の予定は、出る時間ではなく帰る時間で考えます。千葉県で暴風と波浪の可能性が「高」になるのは21日の夕方から夜、東京23区や多摩で風が23m/sまで上がるのも21日の夜です。夜にかかる外出や帰宅は、前倒しにするか取りやめるかを20日のうちに決めておくと、当日に迷わずに済みます。

避難が必要になったときの行き先も、暗くなる前に決めておいてください。水が出てからの移動は、大人でも足元の穴や側溝が見えません。周囲より低い土地に住んでいる場合は、建物の上の階へ移る垂直避難のほうが現実的な選択になることもあります。

どの情報を、どの順番で見るか

台風が近づくと情報の数が増えて、どれを見ればいいのか分からなくなります。役割で分けると、見る順番が決まります。

情報 発表元 何が分かるか いつ開くか
早期注意情報(警報級の可能性) 気象庁 5日先までに警報が出そうかどうか 数日先の予定を動かすとき
台風情報 気象庁 現在位置、強さ、進路、暴風域に入る確率 1日に何度か
時系列情報 気象庁 県や地域ごとの雨量・風速・波の予想 明日の段取りを決めるとき
気象警報・注意報 気象庁(各気象台) 市町村ごとの警報の有無 今日の行動を決める前に
キキクル(危険度分布) 気象庁 土砂災害・浸水・洪水の危険度を地図で 雨が強まってから、こまめに
避難情報 お住まいの市町村 高齢者等避難、避難指示 出たらすぐ動く

上から下へ行くほど、扱う時間が短く、見る場所が細かくなります。早期注意情報は予定を動かすため、警報・注意報は今日の行動を決めるため、キキクルは目の前の斜面や道路の状況を判断するためのものです。避難情報だけは性質が違って、これは見て考えるものではなく、出たらその内容に従って動くものです。

1つだけ選ぶとしたら、お住まいの市町村の警報・注意報です。ただし、警報が出ていないことと、何も起きないことは同じではありません。 現に20日14時の時点で、千葉県内に出ているのはまだ注意報だけですが、早期注意情報では21日に警報級の可能性が「高」とされています。道路に水が溜まり始めた、斜面から濁った水が出てきたという目の前の変化は、どの情報よりも早い合図になります。

おわりに

20日の午後までに出ている情報を、もう一度並べておきます。伊豆諸島南部はすでに波浪警報の段階。千葉県は注意報の段階で、土砂災害の可能性が「高」になるのは20日18時から。雨のピークはどの地域も21日の昼過ぎから夜で、風と波のピークは21日の夕方から22日の朝にかけて。台風の中心は21日の昼に八丈島の西を通り、そのあと加速しながら関東の東の海上を北東へ抜けていきます。

やるべきことのほとんどは、20日のうちに終えられます。 外を片づけ、排水口を通し、明かりと電源を確かめ、避難先を決めておく。これだけで、21日の夜に慌てる場面はかなり減ります。ただし、減るのは慌てる場面であって、雨や風そのものではありません。22日の朝まで、川の水位は遅れて上がり続けます。

台風の進路も強さも、これから何度も更新されます。この記事の数字は、20日の午後までの発表にもとづくものです。 行動を決める前に、気象庁と、お住まいの市町村の最新の発表を確認してください。どうか無理をなさらないでください。

参考資料

本文の数値と記述は、2026年9月20日の午後までに気象庁が発表した情報にもとづいています。台風の位置、強さ、進路、警報級の可能性は、発表のたびに変わります。実際に行動するときは、気象庁とお住まいの市町村の最新の発表を必ずご確認ください。

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