台風30号、26日に九州上陸か。26〜27日の西〜東日本の大雨と、27~28日の北日本の荒天に要警戒(2026年10月24日時点)

台風30号、26日に九州上陸か。26〜27日の西〜東日本の大雨と、27~28日の北日本の荒天に要警戒(2026年10月24日時点) 気象の見通し

台風30号(チャンパー)は、東シナ海から九州付近へ進み、その後は本州南岸から日本の東へ抜ける予測が優勢になってきました。日本海側へ進む計算も目立っていた22日時点から、雨や風を重点的に確認したい地域が変わっています。[1・2・3]

ただし、九州北部では台風の接近を待たず、26日にかけて大雨に厳重な警戒が必要です。東海・関東などでも26日後半~27日の雨に注意し、27~28日は北日本を中心とする強風・高波まで見通しておく必要があります。 南岸寄りの進路になったことで、備えを終えてよいわけではありません。[4・5]

もう一つ注目したいのが、上陸した場合の珍しさです。台風のまま26~27日に上陸すれば、過去の確定記録との比較で3番目に遅い上陸となり、30号以降の番号の台風としては59年ぶりになります。これは上陸が実現した場合の話で、温帯低気圧へ変わる時期も関わります。[6・7]

台風31号も発生しています。現時点では本州などへの大きな影響は考えにくい見通しですが、今後の動向には引き続き注意が必要です。今回は30号の見通しを中心に整理します。[8]

※この記事は2026年10月24日午後の情報に基づきます。本文の日時は日本時間です。予報図はそれぞれの対象時刻を記載しています。

1.進路は南岸寄りへ――27日9時には伊豆諸島近海で温帯低気圧の予報

22日時点から、予測の重心は本州の南側へ

10月22日の記事では、ECMWFやGFSの日本海寄りのコースと、ICONの本州南岸寄りのコースを並べて紹介しました。24日に確認した資料では、九州付近から本州南岸へ進む計算が増え、アンサンブルでも南岸寄りのコースが優勢に見えます。[1・3]

アンサンブルは、条件を少しずつ変えた多数の計算から予測の幅を見る方法です。今回のPolarWxの図は、10月23日12UTC、つまり日本時間23日21時を初期時刻とするGrand Ensemble。九州付近を経て西日本から本州南岸へ延びる経路が多く、日本海を北東へ進むコースを中心に考えていた段階から変化しています。[3]

ただし、九州や四国、本州付近を横切る線も残っています。「南岸寄り」は全域で沖合を離れて通るという意味ではなく、上陸の有無もまだ決まっていません。また、経路の密集を表す色は、大雨や暴風の発生確率そのものではありません。

PolarWxで台風30号のアンサンブル予測を見る

九州付近を経て本州南岸へ延びる予測経路が多く、南北の幅も残る台風30号のGrand Ensemble。2026年10月23日12UTC初期値。PolarWxより引用。
引用図:台風30号のGrand Ensemble。2026年10月23日12UTC(日本時間23日21時)初期値、24日閲覧。九州付近から本州南岸へ進む経路が多い一方、南北の幅も残る。経路に沿う彩色は半径150km設定の経路密度で、大雨や暴風の発生確率ではない。出典:PolarWx/Tomer Burg。

気象庁は26日朝に九州の西、27日朝に伊豆諸島近海を予想

気象庁の24日14時45分発表では、26日9時の予報円の中心は九州の西の海上、27日9時は関東の南海上にあたる伊豆諸島近海です。27日9時の予報欄には「温帯低気圧」と示されています。[2]

予報円には幅があります。中心を結ぶ線だけで、九州や本州のどこに上陸するかを決めることはできません。まずは26~27日に西日本から東日本へ影響が移る大筋を押さえ、その後の更新で通過位置と時間帯を確認する段階です。

気象庁の台風30号進路図。27日9時の予報欄に、伊豆諸島近海で温帯低気圧と表示されている。
図1 気象庁の24日14時45分発表。27日9時には伊豆諸島近海で温帯低気圧となる予報。出典:気象庁「台風情報」。

温帯低気圧への移行は、九州へ近づく段階から進む可能性

ここで区別したいのは、「27日9時の予報欄で温帯低気圧になっていること」と、「その時刻に突然、構造が切り替わること」は同じではないという点です。台風は寒気の影響を受け、前線ができながら、段階的に温帯低気圧の性質を強めていきます。[9]

今回も、九州付近へ近づくころには前線との結びつきが強まり、温帯低気圧への移行がかなり進んでいる可能性があります。これは前線と降水域の配置から考える見立てで、気象庁の正式な分類とは分けて扱います。気象庁の24日朝の短期予報解説資料も、26日夜までに前線上の低気圧になる見通しを示しています。[4]

防災上は、呼び方の変更を待つより、雨や風がどこへ広がるかが重要です。台風の中心付近だけに注目せず、前線による大雨や、中心から離れた海域・沿岸の強風まで確認してください。

2.上陸すればどれほど珍しい?「10月下旬」と「30号台」を分けて確認

10月下旬の上陸は、過去75年間で2例

気象庁の1951~2025年の確定記録では、10月下旬、つまり21~31日に日本へ上陸した台風は、1967年の34号と2017年の21号の2例です。台風が発生することと、日本まで進んで台風のまま上陸することは別で、10月末に近い時期の上陸はかなり珍しい出来事です。[6]

上陸日時が遅い台風の上位3例を並べると、今回がどの位置に入る可能性があるのかが分かります。順位は1951~2025年の確定値で、再上陸ではなく最初の上陸日時を比べています。

遅い順台風上陸日時上陸場所
1位1990年28号11月30日14時頃和歌山県白浜町の南
2位1967年34号10月28日3時半頃愛知県南部
3位2017年21号10月23日3時頃静岡県掛川市付近

出典:気象庁「上陸日時」。統計期間は1951~2025年。[6]

今回の30号が台風のまま10月26~27日に上陸すれば、この確定記録との比較では、遅い方から3番目に当たります。 10月28日の1967年34号が一年全体で最も遅いわけではなく、最晩記録は1990年28号の11月30日です。

30号台の上陸は、1967年34号以来になる可能性

番号にも珍しさがあります。当ラボで気象庁の1951~2025年の年別経路資料を確認したところ、30号以降の番号で「上陸」と分類されているのは、1967年34号だけでした。第30号そのものの上陸例はありません。[7]

したがって、今回の30号が台風のまま上陸した場合は、30号以降の台風として1967年以来59年ぶり、統計上2例目となります。第30号に限れば、統計のある1951年以降で初めてです。これは気象庁の公式資料を当ラボで集計した比較であり、現時点で記録が成立したという意味ではありません。

ただし、気象庁の「日本上陸」は、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線へ達した場合を指し、小さな島や半島を横切って短時間で海へ出る場合などは通過と区別します。温帯低気圧に変わってから陸地を通る場合は、今回比較している「台風の上陸」には入りません。[10]

上陸という記録になるかどうかと、大雨や強風が起きるかどうかは、それぞれ別に見ておきたいところです。

3.大雨は接近前から――九州北部は26日にかけて厳重警戒

先島諸島では、暴風のピーク後も雨と高波への警戒が続く

沖縄では、22日時点の「これから最接近」という段階から状況が進んでいます。石垣市の24日13時30分現在の案内では、石垣島地方の暴風警報は13時11分に強風注意報へ切り替わりました。一方、避難指示の対象は土砂災害警戒区域へ変更され、避難所の開設も続いています。[11]

沖縄気象台は、先島諸島では25日も荒れた天気となり、雷を伴って激しい雨の降る所があるとしています。周辺海域はうねりを伴う高波にも注意が必要です。風の変化だけで外出や片付けを再開せず、地域の大雨・波浪の情報と自治体の案内を確かめてください。[12]

対馬海峡付近の前線停滞で、台風が来る前から雨が重なる

西日本では、台風が近づく26日だけを警戒日と考えるのは遅すぎます。気象庁は、対馬海峡付近で前線が長時間停滞することを指摘し、九州北部では26日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水・氾濫に厳重な警戒を呼びかけています。[4]

ECの25日昼の計算でも、低気圧の中心は東シナ海にある一方、雨の帯は九州北部から中国地方、北陸方面へ延びています。暖かく湿った空気が前線へ流れ込み、中心から離れた場所で雨が強まる流れです。いったん雨が弱まっても、雨雲が繰り返しかかれば、土の中の水分や川の水量が増えた状態で次の雨を迎えることになります。

10月25日12時のECMWF降水予測。低気圧の中心から離れた九州北部、中国地方、北陸方面に雨の帯が延びる。
図2 25日12時の降水・海面気圧予測。中心の接近前から日本海側などに雨域が延びる計算。出典:Windy.com/ECMWF。

26日後半~27日は、東海・関東などでも雨が強まるおそれ

低気圧が西日本から東へ進むにつれ、雨の重点は近畿から東海、関東へ移っていく見通しです。今回のモデルでは、26日午後以降に紀伊半島や東海付近で雨が強まり、26日夜~27日にかけて関東付近へ雨域が移る流れが見られます。

気象庁の週間資料も、27日は台風30号から変わる低気圧や前線の影響で、東日本太平洋側が大雨となり、前線の活動によっては警報級になるおそれを示しています。[5]

東海・関東では、26日の夜から27日の朝にかけての移動予定も含めて確認してください。 モデルごとに進む速さが違うため、特定の市で何時がピークかまで固定できる段階ではありませんが、翌朝の予報確認まで備えを先送りするより、26日の日中までに予定を見直せる状態にしておくと安心です。

10月26日15時のECMWF降水予測。九州付近の低圧部の東側に、紀伊半島などの強い雨域が見られる。
図3 26日15時の降水・海面気圧予測。低圧部の東側、紀伊半島などに強い雨を計算。出典:Windy.com/ECMWF。

4.4モデルに残る違い――通過時刻と雨量の多い帯を確認

南岸寄りでそろっても、雨のピークまで一致したわけではない

欧州のECMWF、アメリカのGFS、ドイツのICON、気象庁のMSMを比べると、西日本から東日本へ低気圧と雨域が移る大筋は共通しています。違いが残るのは、低気圧がどれくらい早く進むか、そして雨の強い帯がどこまで北へ広がるかです。

次の表と4枚の図は、いずれも27日3時の予測です。同じ時刻でも、EC・GFSは紀伊半島付近、ICON・MSMは関東南岸付近まで進んでおり、影響の時間帯に差があることが分かります。

モデル27日3時の低圧部の位置の目安雨の分布で確認したい違い
ECMWF(EC)紀伊半島付近~その南の海上東海付近に強い雨域。関東への影響はこの後も続く計算
GFS四国東部~紀伊半島周辺強い雨の帯がECより北寄りで、北陸や東日本の内陸にも広がる
ICON関東の南東側付近EC・GFSより東への進行が早め。雨の中心も先に東へ移る
MSM関東南岸付近伊豆諸島周辺~関東南岸に強い雨域。通過は比較的早め

出典:10月24日に確認したWindyの各モデルの予測。位置は図から読める目安で、上陸地点を確定するものではありません。

27日3時のECMWF予測。紀伊半島付近の低圧部と東海付近の強い雨域。
図4 ECMWF、27日3時。出典:Windy.com/ECMWF。
27日3時のGFS予測。紀伊半島周辺の低圧部と、北陸・東日本内陸へ広がる雨域。
図5 GFS、27日3時。出典:Windy.com/GFS(NOAA)。
27日3時のICON予測。低圧部は関東の南東側へ進み、雨域も東へ移る。
図6 ICON、27日3時。出典:Windy.com/ICON(DWD)。
27日3時のMSM予測。関東南岸付近の低圧部と伊豆諸島周辺の強い雨域。
図7 MSM、27日3時。灰色の領域外は、雨が降らないことを表すものではない。出典:Windy.com/気象庁MSM。

ここからは、「南岸コースなら関東の雨は早く終わる」「日本海側は影響が小さい」と一括りにしないことが重要です。前線の位置と低気圧の速さが変われば、雨の多い地域もピークの時間も変わります。MSMも数値計算の一つであり、気象台が発表する地域の予報・警報とは区別して見てください。

それぞれのモデルで、雨域がどのように移動するかを動画でも確認できます。画面下の日時が予測対象時刻です。いずれも現時点の一つの計算で、雨の強まる場所や時間帯は今後変わる可能性があります。

動画:ECMWFの雨域の動き

ECMWFによる降水・海面気圧の予測。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。出典:Windy.com/ECMWF。

動画:GFSの雨域の動き

GFSによる降水・海面気圧の予測。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。出典:Windy.com/GFS(NOAA)。

動画:ICONの雨域の動き

ICONによる降水・海面気圧の予測。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。出典:Windy.com/ICON(DWD)。

動画:MSMの雨域の動き

MSMによる降水・海面気圧の予測。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。灰色の表示対象外は、雨が降らないことを意味しない。出典:Windy.com/気象庁MSM。

積算雨量は、集計期間をそろえずに大小を比べない

積算雨量では、九州北部から中国地方に雨量の多い帯が見られ、モデルによっては紀伊半島から東海、関東南岸側でも雨量が増える計算です。中心の通り道に加え、前線の雨が何度重なるかに目を向けたい分布です。

ただし、下の4図は同じ期間の合計ではありません。図の選択範囲を整理すると、ECは24日未明から、GFS・ICONは24日朝からの集計で、MSMは終了時刻が早くなっています。

モデル図が扱う期間比較するときの注意
ECMWF10月24日0時~29日21時他の3図より開始が早く、先行雨を多く含む
GFS10月24日9時~29日21時ECMWFと開始時刻が異なる
ICON10月24日朝~29日夜おおむねGFSと近い期間だが、厳密な同一期間比較には使わない
MSM10月24日9時~27日12時27日午後以降の雨は含まれない

これらを並べて「MSMが一番少ない」「ECが最も大雨になる」と順位付けするのは適切ではありません。 どの地域に雨量の多い帯が重なるかを見る資料として使います。長い積算期間には、台風本体以外の前線や、その後の低気圧による雨も含まれます。

ECMWFの積算雨量予測。24日0時から29日21時まで。九州北部、中国地方や東海付近に雨量の多い帯。
図8 ECMWFの積算雨量。24日0時~29日21時、単位mm。出典:Windy.com/ECMWF。
GFSの積算雨量予測。24日9時から29日21時まで。九州北部、中国地方から北陸方面に雨量の多い領域。
図9 GFSの積算雨量。24日9時~29日21時、単位mm。出典:Windy.com/GFS(NOAA)。
ICONの積算雨量予測。24日朝から29日夜にかけて、西日本と東海付近などで雨量が増える分布。
図10 ICONの積算雨量。24日朝~29日夜、単位mm。出典:Windy.com/ICON(DWD)。
MSMの積算雨量予測。24日9時から27日12時まで。西日本から東海、関東南岸に雨量の多い帯。
図11 MSMの積算雨量。24日9時~27日12時、単位mm。出典:Windy.com/気象庁MSM。

5.風は沿岸と通過後にも注意――ECの計算で見る26~28日

風と波は、ここからECの予測を代表例として見ていきます。掲載するのは一つの計算であり、この風速・波高の分布がそのまま実現すると決まったわけではありません。 低気圧の位置や発達の程度が変われば、強まる地域と時間も変わります。

動画:ECMWFの風の動き

ECMWFによる風・海面気圧の予測。風の単位はm/s。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。最大瞬間風速の予測ではない。出典:Windy.com/ECMWF。

26日は九州周辺、27日は太平洋側の海上にも強い風

ECの26日朝の計算では、九州の西の海上から対馬海峡、日本海西部などで風が強まっています。低気圧の中心だけでなく、北側の高気圧との間で気圧の差が大きくなる海域にも強い風の範囲が広がる形です。

26日9時のECMWF風予測。九州西方、対馬海峡、日本海西部などに風の強い領域。
図12 26日9時の風・海面気圧予測。風の色の単位はm/s。出典:Windy.com/ECMWF。

27日朝には低気圧が関東付近へ進み、四国・紀伊半島沖から伊豆諸島、関東の東の海上などに風の強い帯が見られます。この計算では、関東の陸上全域が一様な暴風に覆われる分布にはなっていませんが、海に開いた沿岸部や海上の風には引き続き注意が必要です。

本州南岸を進む場合、低気圧の北側に入る地域では東~北東寄りの風、通過後には北~北西寄りの風が問題になります。前回の日本海コースで想定した南~南西風を、そのまま今回の主な見通しへ持ち越さず、低気圧との位置関係で考え直す必要があります。

27日9時のECMWF風予測。関東付近の低気圧と、太平洋側の海上などに延びる強い風の帯。
図13 27日9時の風・海面気圧予測。陸上と海上で風の強さに違いがある。出典:Windy.com/ECMWF。

27日後半~28日は、別の低気圧の発達も含めて北日本へ注意

台風から変わる低気圧が東へ離れた後も、確認を終える段階ではありません。気象庁の週間資料では、27~28日に別の低気圧が日本海から千島近海へ発達しながら進み、北日本を中心に荒れた天気となる見通しです。発達の程度によっては大荒れになるおそれがあります。[5]

ECでも、日本の東と北日本周辺に複数の低気圧が現れ、日本海中部・北部から北日本にかけて北~北西の風が強まる計算です。この後半の強風を、すべて「台風30号が再発達したため」と一つにまとめることはできません。 南岸を通る低気圧と、日本海側から進む低気圧の両方が関わります。

28日6時のECMWF風予測。日本の東と北日本周辺の低気圧に伴い、日本海と北日本で風が強まる分布。
図14 28日6時の風・海面気圧予測。日本海や北日本周辺で風の強い範囲が広がる計算。出典:Windy.com/ECMWF。

なお、Windyの「風」は地上10mの平均的な風速を示すレイヤーで、最大瞬間風速を示す「突風」とは別です。図の海上の色を、そのまま市街地の最大瞬間風速として読み替えないでください。[13]

6.波は風が弱まっても残る――日本海と北日本は後半も注意

動画:ECMWF WAMの波の動き

ECMWF WAMによる波浪予測。波高の単位はm。画面下の日時は予測対象時刻(日本時間)。風浪とうねりを合わせた有義波高で、個々の最大波高ではない。出典:Windy.com/ECMWF WAM。

26~27日は、東シナ海・九州周辺から太平洋側へ

ECの波浪モデルでは、26日朝は東シナ海から九州周辺、対馬海峡、日本海西部に波の高い海域が広がっています。中心が南岸へ向かうからといって、日本海側の海が穏やかになるわけではありません。

26日9時のECMWF WAM波浪予測。東シナ海、九州周辺、対馬海峡、日本海西部に高波の領域。
図15 26日9時の波浪予測。色は波の高さ、単位m。出典:Windy.com/ECMWF WAM。

27日午後は、東シナ海の高波が残る一方、四国・紀伊半島沖から伊豆諸島、関東の東の海上にも波の高い帯が延びます。海沿いの外出や船の利用は、出発時の風だけでなく、移動先や帰りの時間の波・運航情報まで確認してください。

27日15時のECMWF WAM波浪予測。四国沖から紀伊半島沖、伊豆諸島、関東東方に高波の帯。
図16 27日15時の波浪予測。低気圧が東へ進んだ後も太平洋側などに高波が残る。出典:Windy.com/ECMWF WAM。

28日は、日本海から北日本の海がさらに荒れる計算

28日朝のECでは、日本海中部・北部と北日本の東の海上に、波の高い範囲が大きく広がっています。後続の低気圧の発達も含む見通しで、気象庁も27~28日は北日本を中心に大しけとなるおそれを示しています。[5]

太平洋側の雨が弱まった後に、日本海側や北日本の風・波の影響が大きくなる場合があります。 「台風の中心が遠ざかった」「雨がやんだ」という一つの変化だけで、釣り、磯遊び、防波堤への立ち入りを再開しないでください。

28日6時のECMWF WAM波浪予測。日本海と北日本の東で波の高い領域が広がる。
図17 28日6時の波浪予測。日本海・北日本周辺では通過後も荒れた海に注意。出典:Windy.com/ECMWF WAM。

予測図の「波」は、風浪とうねりを合わせた有義波高です。有義波高は高い方から3分の1の波を平均した高さで、最も高い一波の値ではありません。さらに、うねりは現地の風が弱くなっても届くことがあります。ここで示した波の高さと、海面全体が上昇する高潮も別の現象です。[13・14]

7.いま何を確認し、いつ行動するか

暴風域の確率だけで、雨や波の危険を判断しない

気象庁の「暴風域に入る確率」は、台風の暴風域へ入る可能性を示す情報です。大雨・強風・高波をまとめた危険度ではありません。確率が低い地域でも、前線の雨や、温帯低気圧に変わった後の風・波への備えは必要です。[15]

24日9時の台風30号の暴風域に入る確率。色のない地域でも、大雨や高波などの危険がないとは限らない。
図18 5日先までに暴風域に入る確率。10月24日9時の予報。大雨や高波の可能性とは分けて見る。出典:気象庁「台風情報」。

地域と時間帯に合わせて予定を見直す

今回の見通しを、行動の判断につながる形でまとめます。時間帯は現時点の目安で、警報や避難情報、交通機関の発表が出た場合は、そちらに合わせて行動を切り替えてください。

地域・予定特に確認したい時期いま進めたいこと
先島諸島・沖縄の沿岸24~25日を中心に、雨・風・高波が残る期間自治体の避難情報を確認。風が弱まっても斜面や海岸へ近づかない
九州北部・対馬海峡周辺接近前から26日にかけて土砂災害・浸水・河川の危険度を確認し、必要な避難を先送りしない
中国・四国・近畿前線の雨が続く間と、26日前後の接近時先に降った雨も考慮。増水した川や用水路へ見回りに行かない
東海・関東・伊豆諸島26日後半~27日の雨、沿岸の風と波夜間の移動や翌朝の通勤・通学、船・航空便の変更条件を確認
日本海側・北日本27日後半~28日の低気圧発達時強風・波浪の予報を確認し、海のレジャーや屋外作業の予定を見直す

屋外の飛びやすい物の片付けは、安全に作業できるうちに済ませます。すでに風雨が強い場所では無理に外へ出ず、窓から離れるなど屋内の安全確保を優先してください。交通機関についても、この予測図だけで運休を断定せず、利用する事業者の案内を確認します。

台風30号は、南岸寄りへ予測が変わってきました。今後は上陸の有無や温帯低気圧へ変わる時期とともに、西日本で続く雨、26日後半~27日の東海・関東の雨、27~28日の北日本を含む風・波を、地域ごとに追っていきたい局面です。

参考資料

本文の番号と対応しています。最新ページの内容は随時更新されるため、ここでは今回参照した発表日時も記載しています。

  1. 前回記事:台風30号の日本への雨・風の見通し(2026年10月22日)
  2. 気象庁「台風情報」 — 台風30号、2026年10月24日14時45分発表。進路・27日9時の温帯低気圧予報は同時点の表示で確認。
  3. PolarWx「台風30号・Grand Ensemble」 — 10月23日12UTC初期値、24日午後確認。本文の経路分布の説明は当ラボの図の読み取り。
  4. 気象庁「短期予報解説資料」 — 2026年10月24日03時40分発表。同日時の資料への固定リンク(日本気象株式会社配信)。
  5. 気象庁「週間天気予報解説資料」 — 2026年10月24日10時発表。27日の東日本太平洋側の大雨、27~28日の北日本の荒天に関する見通し。
  6. 気象庁「上陸日時」 — 1951~2025年の確定統計。
  7. 気象庁「台風経路図」、1967年の経路資料、台風の発生数 — 1951~2025年の年別資料から、30号以降の56個の公式の上陸分類を当ラボで確認。上陸は1967年34号の1個。
  8. 台風31号の気象庁発表を掲載した位置・進路表(応用気象エンジニアリング) — 2026年10月24日13時10分の気象庁発表。日本への影響についての本文は、この進路からの当面の見立て。
  9. 気象庁「温帯低気圧と台風」、気象庁「台風について」 — 構造が段階的に変化する過程の説明。
  10. 気象庁「台風の上陸数」 — 日本上陸の定義と統計の扱い。
  11. 石垣市「令和8年 台風第30号に関する情報について」 — 2026年10月24日13時30分現在の警報・避難情報を確認。
  12. 沖縄気象台の天気概況 — 2026年10月24日10時38分発表。
  13. Windy公式「気象レイヤーの説明」 — 風、突風、波の定義。各モデルの掲載図はWindy.comで10月24日に確認した予測。
  14. 気象庁「波浪の知識」 — 風浪・うねり、有義波高の説明。
  15. 気象庁「台風情報の種類と表現方法」 — 進路図、暴風域に入る確率の意味。
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